女性受刑者「介護です。次が製造、その次が建築。寮付きでお願いします」
職員「関西圏で寮付きの介護の仕事を探してみます。何か資格はありますか?」
受刑者「ないです」
<受刑者は30代。覚醒剤取締法違反、無免許過失運転致傷などで服役した。刑務所に入ったのは4回目。
中学校を卒業後、飲食店や建築現場などで働いた。親が自殺するなどして両親はなく、祖母に育てられた。
「刑務所にはおばあさんの受刑者もたくさんいる。自分はおばあちゃん子だからか、下の世話が苦にならないタイプ。大変だけど、下着が汚れたままでいるよりずっといい」と、介護を志望する理由をインタビューで語った>
職員「正社員として働く機会に恵まれなかった就職氷河期世代向けの助成金があります。正社員を希望されているので検討しましょう。それと、精神障害者保健福祉手帳をお持ちと聞きました。病名は何ですか」
受刑者「統合失調症です」
職員「わかりました。ここで紹介できるのは受刑者等専用求人です。もし、刑務所にいたことを誰にも言いたくなければそれを使わずに、出所後、一般の求人で仕事を探す方法もあります。その際、障害者専用の求人を使うこともできます」
<受刑者等専用求人は、受刑者や少年院在院者などを対象にした求人。雇用を希望する事業主が刑務所を指定し、その刑務所にハローワークを通じて求人情報が提供される。マッチングがうまく進めば事業主が刑務所を訪れて面接し、出所前に就職先が決まる。
ハローワークの職員によると、コロナの影響で昨年以降はテレビ面接が増えた。求人で多いのは、男性は建築土木、女性は介護。コロナ禍で飲食関係の求人が激減したという。
この受刑者は「刑務所にいたことをオープンにすればこうした形の職探しもOKなんやと初めて知った。今度こそ生活の基盤を作りたい」と語る>
就労相談2人目
<次に職員が面談したのは刑務所に入ったのは2回目、いずれも覚醒剤取締法違反という30代の女性受刑者>
職員「希望の職種は」
受刑者「スーパーやパン屋さんの接客。パート希望です」
職員「出所後、帰るところはありますか」
受刑者「はい。母が身元引受人になってくれています」
職員「タトゥー(入れ墨)があるそうですが、どこに」
受刑者「(袖をまくって)ここです」
職員「半袖だと出ちゃうかな。ワードとエクセルはどれぐらいできますか」
受刑者「入力はできます」
<ほぼ水商売で生きてきたと話す受刑者。パートを希望したのは、保護司との面会や通院、薬物依存からの回復を目指す自助グループに通うことを考えたためという。
「水商売での接客は楽で給料もいいけど生活が安定しない。今度出所したら朝から働く普通の仕事をしたい」「中卒なので履歴書の欄がすぐ終わり、書くのをためらってしまう。刑務所で勉強を教わってるけど苦手。でも、どこかに採用してもらえたらすごくうれしい」と話す>
仕事の有無、再犯の背景に
https://www.yomiuri.co.jp/topics/20210401-OYT8T50092/
職員「関西圏で寮付きの介護の仕事を探してみます。何か資格はありますか?」
受刑者「ないです」
<受刑者は30代。覚醒剤取締法違反、無免許過失運転致傷などで服役した。刑務所に入ったのは4回目。
中学校を卒業後、飲食店や建築現場などで働いた。親が自殺するなどして両親はなく、祖母に育てられた。
「刑務所にはおばあさんの受刑者もたくさんいる。自分はおばあちゃん子だからか、下の世話が苦にならないタイプ。大変だけど、下着が汚れたままでいるよりずっといい」と、介護を志望する理由をインタビューで語った>
職員「正社員として働く機会に恵まれなかった就職氷河期世代向けの助成金があります。正社員を希望されているので検討しましょう。それと、精神障害者保健福祉手帳をお持ちと聞きました。病名は何ですか」
受刑者「統合失調症です」
職員「わかりました。ここで紹介できるのは受刑者等専用求人です。もし、刑務所にいたことを誰にも言いたくなければそれを使わずに、出所後、一般の求人で仕事を探す方法もあります。その際、障害者専用の求人を使うこともできます」
<受刑者等専用求人は、受刑者や少年院在院者などを対象にした求人。雇用を希望する事業主が刑務所を指定し、その刑務所にハローワークを通じて求人情報が提供される。マッチングがうまく進めば事業主が刑務所を訪れて面接し、出所前に就職先が決まる。
ハローワークの職員によると、コロナの影響で昨年以降はテレビ面接が増えた。求人で多いのは、男性は建築土木、女性は介護。コロナ禍で飲食関係の求人が激減したという。
この受刑者は「刑務所にいたことをオープンにすればこうした形の職探しもOKなんやと初めて知った。今度こそ生活の基盤を作りたい」と語る>
就労相談2人目
<次に職員が面談したのは刑務所に入ったのは2回目、いずれも覚醒剤取締法違反という30代の女性受刑者>
職員「希望の職種は」
受刑者「スーパーやパン屋さんの接客。パート希望です」
職員「出所後、帰るところはありますか」
受刑者「はい。母が身元引受人になってくれています」
職員「タトゥー(入れ墨)があるそうですが、どこに」
受刑者「(袖をまくって)ここです」
職員「半袖だと出ちゃうかな。ワードとエクセルはどれぐらいできますか」
受刑者「入力はできます」
<ほぼ水商売で生きてきたと話す受刑者。パートを希望したのは、保護司との面会や通院、薬物依存からの回復を目指す自助グループに通うことを考えたためという。
「水商売での接客は楽で給料もいいけど生活が安定しない。今度出所したら朝から働く普通の仕事をしたい」「中卒なので履歴書の欄がすぐ終わり、書くのをためらってしまう。刑務所で勉強を教わってるけど苦手。でも、どこかに採用してもらえたらすごくうれしい」と話す>
仕事の有無、再犯の背景に
https://www.yomiuri.co.jp/topics/20210401-OYT8T50092/