
1961〜97年に京阪電車京津線で活躍した80型車両の塗装を石山坂本線で“復刻”した700形車両が3日、ラストランを迎える。
2016年から運行を始め、地元に愛された往年のカラーに、鉄道ファンからも人気を集めていた。
京阪電車はブランドイメージを統一するため、大津線(石山坂本線・京津線)の車両の塗装を17年から順次、
大阪・京都を走る京阪線の一般車両と同じ色へと変更を進めており、思い出の風景との別れも近付いている。
80型は京津線の近代化を目的に61年から製造され、丸みを帯びたヨーロピアン調の軽快なデザインと、他の形式にはない灰色がかった薄い黄緑と青緑色の塗装が高い人気を誇った。
路面電車の区間に設置された高さの低い停留所に対応するため、折りたたみ式のステップが設けられていた。
97年からは京津線の一部区間が、同年開通した京都市営地下鉄東西線に相互乗り入れすることになったため、
地下鉄区間などに対応できない80型は廃車となった。
今回復刻塗装された700形車両(701、702号車)は80型の誕生55年を記念し、16年から運行。
20年2月15日からは「ラストラン」と書かれたヘッドマークが付けられて運行していた。
1日には、大津市錦織2の京阪電車大津線錦織車庫で有料での撮影会が開かれた。
午前と午後各30人限定で、2月5日の販売開始から約20分で売り切れたという。新型コロナウイルスの感染予防策として、参加者とスタッフ全員がマスクを着用し、手をアルコール消毒。
車内であったヘッドマークや速度計などの販売会も、同時に入るのは5人までと時間が分けられた。
参加者らは自作のヘッドマークを車両に付けるなどしながら、思い思いの構図で写真に収めていた。
京都の予備校に通っていた高校生の頃に80型に乗っていたという、大津市の上田和幸さん(44)は当時、三条―四宮駅で折り返し運転をしていた80型に乗るため、四宮駅で乗り換えをしていたという。
「丸みを帯びたかわいらしいデザインが好き。思い出のデザインなので名残惜しい」と話した。
ラストランは変更の可能性もある。問い合わせは京阪電車お客さまセンター(平日午前9時〜午後7時、土・日曜と祝日は午後5時まで)。
https://news.livedoor.com/article/detail/17897874/
2020年3月1日 21時35分 毎日新聞



京阪京津線80形 夕方の三条−御陵間