木村正人 | 在英国際ジャーナリスト
12/5(木) 18:00
安倍首相に石炭への支援を止めよと訴える人たち(FoE Japan高橋英恵氏撮影)

[ロンドン発]抜本的な地球温暖化対策を迫るスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)が大西洋をヨットで折り返し、ポルトガル・リスボンに到着しました。
開催地が南米チリからスペイン・マドリードに急遽(きゅうきょ)変更された第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に参加するためです。
グレタさんを嫌う中年男性を象徴するように英人気TVパーソナリティ、ピアーズ・モーガン氏(54)は「私もこんな盗まれた子供時代を送りたかった」とツイート。
純粋なグレタさんが、温暖化対策を推進しようとしている大人たちにいいように使われているという皮肉です。
コメント欄には賛否両論が渦巻きましたが、「なぜ16歳の女の子をそんなに恐れるの?」「彼女は環境に対する世界の考え方を変えようとしている。それがそんなに悪いこと」というモーガン氏への批判も目立ちました。
温暖化を巡ってはグレタさんのようなリベラルな脱炭素派と、パリ協定から離脱したドナルド・トランプ米大統領に代表される懐疑派が激しく対立しています。さて日本はどうなのでしょう。
「気候変動にはセクシーに取り組もう」
温室効果ガス排出の元凶の一つとみなされだしたステーキを「毎日でも食べたい」と発言して物議をかもした小泉進次郎環境相もCOP25に出席する予定です。
9月に開かれた国連気候行動サミットの共同記者会見では「気候変動のようにスケールの大きな問題に取り組むためには、楽しくかつクールで、しかもセクシーでなければならない」と述べました。
共同通信によると、この気候行動サミットで日本政府が安倍晋三首相の演説を要望したものの、国連側から断られていたことが分かりました。石炭火力発電を推進する日本の政策が問題視されたそうです。
世界が日本に求めているのは「言葉より行動」です。小泉環境相は共同通信の報道を「首相が日程上行くことがかなわず、断った」と否定しました。
「日本よ、石炭はもうよしなさい!」
その安倍首相に国内外で石炭火力発電を支援するのを止めるよう求める抗議活動「No Coal Japan(日本よ、石炭はもうよしなさい)!」が5日、マドリードのCOP25会場周辺で行われました。
石炭のバケツを持つ安倍首相にピカチュウが「ストップ! 石炭」「再生利用可能エネルギーを」と呼びかけました。
これに先立ち、長年にわたって気候変動枠組条約交渉をウォッチしてきた「気候ネットワーク」の平田仁子(きみこ)理事は次のように述べています。
「安倍首相は何年にもわたって石炭火力発電と“クリーンな石炭”を頑固に推進し続けてきました」
「梶山弘志経済産業相も最近、太陽光、風力、蓄電がより多くのエネルギーを供給できるという事実にもかかわらず、石炭火力を擁護しています」
「石炭は気候変動の最大要因であり、日本は先進7カ国(G7)の中で唯一、石炭火力発電所を建設しています」
日本は2011年の福島原発事故の後、石炭に大きく依存するようになりました。経済産業省の資料では17年の時点で日本の発電電力量における石炭依存度は32.7%、天然ガスは39.5%、石油その他8.7%となっています。
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https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20191205-00153760/