【フランクフルト=石川潤】ドイツ銀行が27日発表した2017年1〜3月期決算によると、最終利益は前年同期の2.4倍の5億7500万ユーロ(約690億円)になった。一時は経営不安がささやかれたが、再建に向けて「経費削減の努力が寄与し始めた」(ジョン・クライアン最高経営責任者)とした。
収益に貢献したのが経費削減で、非金利コストは63億ユーロと前年同期に比べ12%減少した。リストラや非中核部門の縮小などの効果だ。
ドイツ銀行は今年3月に約80億ユーロの資本増強やポストバンクの売却撤回を柱にした経営計画を発表した。「収益力の問題は依然として残っている」(米系投資銀行)との指摘が多い。
欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利政策を続けており、低金利の逆風に当面さらされる。収益向上の道筋を描けるかが次の課題だ。
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