トランプ政権の米国が、国際社会での指導力を大きく落としていることが、
米ギャラップ社が19日に発表した世論調査の結果で分かった。
米国の指導力について「評価する」は30%で、オバマ前政権から20ポイント近くも下落した。
世界が米国の利益を優先させる「米国第一」主義を否定的に見ている傾向が浮かび上がった。
調査は昨年3〜11月、134カ国・地域の15歳以上に約1千人ずつ質問した。
米国の国際社会における指導力については、「評価する」が30%、「評価しない」は43%。
「評価する」はオバマ政権時の2016年の48%から、18ポイントも下落した。
調査を始めた07年以降、ブッシュ(子)政権の08年の34%を下回り、過去最低の記録となった。
134カ国・地域中、前年比で10ポイント以上評価が落ちた国は65カ国に及ぶ。
特に「評価しない」が多かったのは、
ノルウェー(83%)、オーストリア(79%)、カナダ(78%)など欧米諸国が目立った。
同社は、トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)を「時代遅れ」と呼んだり、
イラン核合意や地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を否定したりしたことが影響したと分析した。
日本では、「評価する」が31%で前年比で16ポイント減った。「評価しない」は36%だった。
米国とドイツ、中国、ロシアの4カ国で比較した指導力の評価は、
ドイツ(41%)がトップで、米国は中国(31%)にも抜かれ、ロシア(27%)をわずかに上回る3位だった。
同社は、欧州など伝統的な同盟国で評価が下落している点を指摘し、
「外交・安全保障面で、信頼できるパートナー国の協力を得られなくなる恐れがある」と懸念を示した。
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL1N3RPZL1NUHBI018.html