0001へっぽこ立て子@エリオット ★
2019/09/13(金) 13:27:52.45ID:CAP_USER世界半導体販売額(月次、過去3カ月の移動平均)の前月比と前年同月比の推移(2017年11月〜2019年7月)。WSTSの発表値を筆者がまとめたもの
半導体市場の減速が止まる。そのような兆しが見えてきた。2018年11月から続いてきた各月の販売額実績の減少が、2019年5月以降は増加に転じつつある。「2019年7月以降(2019年下半期)に回復」というシナリオが、現実味を帯びてきた。
半導体業界では市場規模の実績と予測については、半導体メーカーの業界団体であるWSTS(世界市場統計)が算出した数字を使うことが定番となっている。このWSTSは毎月、半導体の販売金額を過去3カ月の移動平均値として発表してきた。
本コラムが2019年3月27日の記事(「高転び」しつつある半導体市場)で述べたように、WSTSが発表してきた毎月の販売額は、直近では2018年10月にピークを迎えた後、前月比ではマイナスを続けてきた。2018年11月以降は6カ月連続で前月比がマイナスとなった。
とくに厳しかったのが2018年12月〜2019年1月で、前月比が3カ月連続で7%強のマイナス成長となっていた。この3カ月で前年同月比の数値も大きく減少し、プラスからマイナスへと転じた。2018年11月の前年同月比9.8%増から、2019年2月の同10.6%減へと20ポイントもの減少となった。
しかし前月比のマイナスは2019年3月以降は緩やかになり、2019年5月には7カ月振りに前月比でプラスを記録した。前月比1.9%増である。続く同年6月には同0.9%減とマイナスになったものの、同年7月には同1.7%増と再びプラスに転じた。前年同月比のマイナス幅も2019年4月以降は15%前後の減少を維持しており、下げ止まりの傾向が見えてきた。
世界半導体販売額(月次、過去3カ月の移動平均)と前年同月比の推移。出典 : WSTSおよびSIA(米国半導体工業会)
□下方修正を繰り返した2019年の半導体市場予測
下げ止まりの傾向は見えてきたものの、2019年の世界半導体市場はほぼ確実に、2桁のマイナス成長となりそうだ。2018年秋から2019年夏にかけて、業界団体や市場調査会社の予測値は、下方修正を繰り返してきた。
WSTSは毎年春と秋に、半導体市場の予測値を発表している。昨年(2018年)秋の予測は2018年11月27日に発表された。このときにWSTSは2019年の世界半導体市場を前年比2.6%増と予測した。2018年の同15.9%増に比べると成長率は大きく低下するものの、プラス成長は維持すると見た。
しかし2019年2月20日にWSTSは、2019年の成長率をマイナス3.0%へと下方修正した。さらに2019年6月4日に発表した春の予測では、2019年の成長率をマイナス12.1%へと一段と下げてきた。
市場調査会社の予測も下方修正されている。市場調査会社のGartnerが2019年4月2日に発表した2019年の世界半導体市場の成長率はマイナス3.4%である。この予測を約3カ月後の同年6月28日には、マイナス9.5%へと下方修正した。
そして集積回路(IC)に限定した予測値だが、市場調査会社のIC Insightsは2019年5月21日にマイナス13%、さらに同年8月7日にはマイナス15%と2ポイント下げた成長率を公表した。なおWSTSは同年6月28日に発表した市場予測で、2019年の集積回路市場の成長率をマイナス14.3%と予測している。
2019年の世界半導体市場に対する成長率予測の変化。日付は発表日。WSTSは業界団体、GartnerとIC Insightsは市場調査会社
>>2 へ続く
2019年9月13日 12:45
PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1207169.html